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Vine Linux 2.0
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■ Vine Linux 2.0 の特徴
     ●日本語インストーラ
        日本語版のインストーラによって,とくに初心者のインストール時の不
        安を減らしています.もちろん英語ガイダンスによるインストールも可
        能です.また,グラフィカルなインストールが可能になりました.
     ●RedHat Linux 6.1ベース
        海外で最も広く利用されていると言われているRedHat Linux 6.1がベー
        スになっています.海外の商用アプリケーションはRedHat Linuxを前提
        に開発されていることが多く,その多くをそのまま利用することができ
        ます.また,RedHat Linuxの大きな利点のひとつである完全なパッケー
        ジ管理を踏襲しています.
     ●glibc2.1.2と日本語localeの実装
        国際化プログラミングを考慮したglibc2.1.2と,glibc2.1.2を日本語ロ
        ケール対応にするlocale-jaを採用しています.
        従来の標準的な日本語環境であるlibc5+X_LOCALEで発生してい
        たNetscape Communicatorなどでの日本語表示/入力/編集の不都合の
        多くが解消されます.また,国際化に考慮して開発されている
        Oracle8などの商用アプリケーションでそのまま日本語を利用すること
        ができます.
     ●日本語アプリケーションソフトウェアの収録
        本製品には,これまでのProject Vineのメンバーによる開発で蓄積して
        きた技術および資産をもとに,多くの日本語アプリケーションソフト
        ウェアがVine Linuxに収録されています.したがってインストール後,
        ただちに快適な日本語環境下で使用することが可能です.後述のVine
        Tools,日本語版 Netscape Communicatorも即使用可能です.
        標準のウィンドウマネージャには, 日本語対応のWindow Maker を用意
        しました.初期状態のDockやメニューには,後述のアプリケーションソ
        フトウェアがすでに設定済みですから,主要なものはマウス操作だけで
        起動可能です.
        標準のかな漢字変換システムには,軽さ,変換速度などのバランスがよ
        いFreeWnnとCanna(かんな)を標準IMとして採用しています.
     ●デスクトップ環境 GNOME & KDEを標準装備
        Vine Linux標準のWindow Makerの他に,デスクトップ環境として
        GNOMEと KDEを用意しました.GUIをベースにしたユーザー環境をすぐに
        使うことができます.ハードディスクに余裕がない場合などに備
        え,GNOMEや KDEをインストールしなくても十分に使える環境も用意さ
        れています.
     ●日本語カタログの整備
        さまざまな主要コマンド(cp,mv,top,df,ps,ping…他多数)には
        日本語カタログを用意しました.これにより,各種メッセージなどが環
        境変数に応じて日本語や英語で表示されるようになります.
     ●日本語文書/日本語マニュアルの整備
        本マニュアルのほか,オンラインマニュアルとしてJFプロジェクトによ
        る日本語Linux文書とJMプロジェクト,X Japanese Documentationプロ
        ジェクトによる日本語マニュアルを収録しました.
        これらの文書およびマニュアルの参照をより簡単にするために,全文検
        索エンジンとして定評のあるnamazuを収録しており,簡単にキーワード
        検索を行うことができます.標準のWindow Makerからは、iマークのア
        イコンをクリックするだけで,namazuを起動することができます.
     ●XFree86-3.3.6
        PC UNIX用X Window SystemであるXFree86の最新バージョン3.3.6を採用
        しました.さらにProject Vineでは独自情報を収集/追加し,国内で普
        及している多くのビデオカードで自動検出/設定が行えます. VAIOな
        どのNeoMagicチップ搭載マシンでも,自動設定ですぐXを使えます.さ
        らに,xtt (X True Type)の採用により,XからTrueTypeフォントを直ち
        に利用できます.
     ●日本語フォントの整備
        Vine Linux 2.0 では,X用日本語スケーラブルフォントとして,フリー
        の TreuType フォントを採用しています.LaTeXや Tgif,Gimp,
	Netscape Communicatorなどの日本語対応アプリケーションでも問題なく
	日本語表示が可能です。
     ●国内のプリンタ対応
        Vine Linuxでは,国内のメジャーなプリンタの多くに対応できるよう
        に,独自情報を収集/作成したプリントフィルタを多数追加してお
        り,printtoolなどで簡単に設定を行えます.
     ●Vine Tools
        独自開発のアプリケーションソフトウェア(Vine Tools)が用意され,
        とくにUNIXに詳しくない初心者にも必要十分な機能が提供されま
        す.Vine Linux 2.0では,NeXTライクのユーザインターフェースを持つ
        メーラ(vmail),PostItライクのメモ帳的な利用にも便利な簡易エ
        ディタ(vedit)を収録しています.
     ●サーバ環境
        WWWサーバ,メールサーバ,ftpサーバ,tenletサーバ、sambaサーバと
        してすぐに使えるようパッケージを収録しています.またセキュリティ
        にも十分配慮し,セキュリティホールになる可能性のあるデーモンなど
        はデフォルトでは立ち上がらないように設定しております.
     ●動作プラットフォーム
        Vine Linux は,以下のアーキテクチャで動作します.
        PC/AT互換機(いわゆるDOS/Vマシン)推奨使用環境
        o  CPU:Pentium 100MHz以上
        o  メモリ:32Mバイト以上 (推奨 64Mバイト以上)
        o  HDD: 600Mバイト以上(フルインストール時1.2Gバイト以上)
        o  CD-ROM:ATAPI/SCSI
        o  キーボード: PS/2 (101,106およびこれらに互換性があるもの)
        o  マウス:PS/2,シリアル
        o  ビデオカード:S3 ViRGEシリーズ,Riva TNT2,Millennium G400な
           ど(詳細は XFree86 WWWページ を参
           照)
        o  SCSIカード:Adaptec 29x0/39x0, Symbios53c8xxなど
 ■  Vine Linux 1.1からの変更点
  Vine Linux 1.1から多くの改良が施されています.以下の点にご注意の上御使
  用下さい.
     ●カーネル関係
        カーネルのバージョンが 2.2.14になりました.これに伴いいくつか仕
        様の変更があります.
     o  メモリを64M以上でも自動認識します./etc/lilo.confに
        append="mem=128M"と書かなくてもよくなります.ただし,自動認識し
        ない場合はこれまで通り記述して下さい.
     o  SMPのマシンで自動電源off機能を使用するには
        append="apm=smp-power-off"を/etc/lilo.confに加えて下さい.
     o  IPマスカレードを使用するコマンドが ipfwadm から ipchainsに変更に
        なりました.
     o  Sound Blaster Live! に対応しました.
     o  NFSがバージョンアップしました.
     ●各種ツール関係
     o  ライブラリにglibc2.1.2を採用しているため,Vine Linux 2.0用に作成
        されたソフトウェアはそれ以前のバージョンでは動作しません.
     o  漢字変換システムに Wnn6とCannaを採用しています.この切替えはディ
        スプレイマネージャwdm上で切替えられます.また,コンソールからは
        独自に用意した setimeコマンドで切替えられます.
     o  エディタは mule-2.3から emacs-20になりました.
     o  Samba日本語版が採用され,1). 共有名,コンピュータ名,コメントの
        日本語対応,2). SWATの日本語化および日本語入力の対応,3). ドキュ
        メントの日本語化,がなされています.詳細は Sambaのページ
        を御覧下さい.
     o  プリンタ設定ツール printtoolで,HP DeskJet 710/720C 対応 (モノク
        ロ印刷のみ), Canon LBP-320/350 での 600 dpi 印刷対応,沖データ
        Microline 4w 対応,となりました.