Vine Linux 5 インストールガイド 製作著作 1998-2010 Project Vine 概要 Vine Linuxは日本語インストーラを採用しており、簡単にインストールを行えます。と はいえ実際にインストールする際は、このマニュアルを一読した後で行うようにしてく ださい。 説明の都合上、順番が前後する部分が一部(パーティションからのインストールなど) 存在します。本インストーラでは、X Window Systemを利用したグラフィカルモードが標 準となっていますが、 Xが使用できないときにはテキストモードでもインストールする ことができます。本書ではグラフィカルモードの場合に沿って記述されています。テキ ストモードの場合には、グラフィカルモードと異なる順番でインストールが進みますが 、設定方法はどちらの場合も同じです。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 目次 Vine Linux 5 の制限事項 1. インストールの準備 ハードウェアの調査 インストール先の確保 (i386、x86_64) インストール先の確保 (ppc) インストール方法の選択 BIOS設定の確認 時計の確認 起動デバイスの優先順位 2. インストール手順 インストーラの起動 (i386、x86_64) インストーラの起動 (ppc) オープニング画面 ようこそ 言語の選択 キーボードの設定 アップグレードの検証 インストールの種類 パーティションの設定 ディスクパーティションの設定 自動パーティション設定 Disk Druid ブートローダの設定 高度なブートローダオプションの設定 ブートローダ設定のアップグレード ネットワークの設定 ファイアウォールの設定 追加の言語サポート タイムゾーンの設定 rootパスワードの設定 パッケージインストールのデフォルト パッケージグループの選択 インストール(アップグレード)準備完了 パッケージのインストール おめでとうございます A. USBメモリへのディスクイメージの書き込み Microsoft Windows の場合 Linux の場合 B. テキストモードでのインストール Vine Linux へようこそ! 言語の選択 キーボードの選択 アップグレードの検証 インストールの種類 ディスクパーティションの設定 自動パーティション設定 Disk Druid ブートローダの設定 ブートローダ設定のアップグレード ネットワークの設定 IPアドレスの設定 ホスト名の設定 ファイアウォールの設定 追加の言語サポート タイムゾーンの設定 rootパスワードの設定 インストールされるソフトウェアの選択 ソフトウェア選択の確認 パッケージグループの選択 準備完了 インストール準備完了 アップグレード準備完了 パッケージのインストール 完了 C. Expertモードでのインストール D. トラブル・シューティング 図目次 2.1. インストーラ起動画面 2.2. オープニング画面 2.3. ようこそ 2.4. 言語の選択 2.5. キーボードの設定 2.6. アップグレードの検証 2.7. インスト−ルの種類 2.8. ディスクパーティションの設定 2.9. 自動パーティション設定 2.10. Disk Druid 2.11. ブートローダの設定 2.12. 高度なブートローダオプションの設定 2.13. ブートローダ設定のアップグレード 2.14. ネットワークの設定 2.15. ファイアウォールの設定 2.16. 追加の言語サポート 2.17. タイムゾーンの設定 2.18. rootパスワードの設定 2.19. パッケージインストールのデフォルト 2.20. パッケージグループの選択 2.21. インストール準備完了 2.22. アップグレード準備完了 2.23. パッケージのインストール 2.24. インストール終了画面 A.1. ダウンロード先フォルダ A.2. Win32 Disk Imager フォルダ A.3. File Error A.4. メイン画面 A.5. 確認画面 A.6. 書き込み中画面 B.1. Vine Linux へようこそ! B.2. 言語の選択 B.3. キーボードの選択 B.4. Vine Linuxインストールの検索 B.5. アップグレード対象システムの選択 B.6. インストールの種類 B.7. ディスクパーティションの設定 B.8. 自動パーティション設定 B.9. パーティション削除の警告 B.10. Disk Druid B.11. ブートローダの設定 B.12. ブートオプションの設定 B.13. GRUBパスワードの設定 B.14. 起動パーティションの選択 B.15. ブートローダのインストール場所 B.16. ブートローダ設定のアップグレード B.17. IPアドレスの設定 B.18. ホスト名の設定 B.19. ファイアウォールの設定 B.20. ファイアウォール設定のカスタマイズ B.21. 言語サポート B.22. タイムゾーンの設定 B.23. rootパスワードの設定 B.24. パッケージデフォルト B.25. パッケージグループの選択 B.26. 依存関係チェック B.27. インストール開始 B.28. アップグレードパッケージの検索 B.29. アップデート開始 B.30. ファイルシステムのフォーマット B.31. パッケージのインストール B.32. 完了 表目次 2.1. デスクトップ 2.2. アプリケーション 2.3. サーバ 2.4. 開発 2.5. システム Vine Linux 5 の制限事項 本バージョンには以下の制限があります。これらを了承の上、本バージョンをご利用く ださい。 ● インストーラの制限 ○ モニタの設定、X設定のカスタマイズは廃止になりました。 ○ FDD でのインストールには対応していません。 ○ アップグレードインストールはインストールCDだけでは全ては終了しません。 アップグレードインストール終了後に "apt-get update; apt-get -f install; apt-get dist-upgrade" を行う 必要があります。 ○ デュアルブートなど他の distribution や OS の起動は原則としてサポートし ません。Vine Linux 側で GRUB を MBR にインストールする場合のみ対応しま すが、その他の場合は推奨しません。これまでの対応と同等です。 ○ ドライバに起因するハードウェアトラブル ● 一部のハードウェアでPCカードスロットが認識できない可能性があります。polling mode や interval の設定などをお試しください。 ● サードパーティ製あるいはVinePlus のパッケージは正常に動作しない場合が あり ます。 ● GRUB がインストールされている場合にアップグレードで検出できない場合がある ● ブートローダの管理で新しいブートイメージを追加できない その他にも不具合があることもありますが、不具合解消のために更新されたファイルや ドキュメントは、Vine Linux配布用のftpサイトにて公開します。随時Project Vineの Webページ(http://vinelinux.org/)をご確認ください。 上記以外にも既知の問題・現時点での仕様があります。詳細は、Request for Testingを ご確認ください。 第1章 インストールの準備 目次 ハードウェアの調査 インストール先の確保 (i386、x86_64) インストール先の確保 (ppc) インストール方法の選択 BIOS設定の確認 時計の確認 起動デバイスの優先順位 ハードウェアの調査 インストール時にいくつかの情報が必要になる場合があります。まず各ハードウェアの 型番などを控えておいてください。 ● ビデオカード(メーカ名やチップ名) ● モニタの垂直/水平周波数 ● ネットワークカード ● SCSIカード ● サウンドカード ● その他のハードウェア PCIやPCMCIAなどの多くデバイスは自動で認識されますので、実際には入力する必要はあ りません。自動認識されなかった場合に情報として必要になります。Windowsがインスト ールされている場合では、デバイスマネージャで各デバイスのプロパティを見ればわか るでしょう。どうしてもインストールがうまくいかない場合には、一旦ビデオカードと モニタ以外のハードウェアを取り外してから行ってみてください。 インストール先の確保 (i386、x86_64) Vine Linuxをインストールするには、ハードディスクに、新たにパーティションを作成 するための空き領域が必要です。 WindowsがプリインストールされたPCを購入した場合 は、ハードディスクのすべての領域をWindowsが使う設定になっていることがほとんどで す。この場合は、以下のいずれかの方法で空き領域を確保してください。 1. Linux用に空き領域を残してWindowsを再インストールする 2. Windowsパーティションの未使用部分を空き領域にするツールを利用する このツールには、dosutilsディレクトリ内のFIPS.EXEや、パーティションマジック (Partition Magick)などの市販の製品が利用できます。これらのツールを使用す る際には、まず一時的に仮想記憶を使わない様にした上でデフラグを行ってくださ い。ただし、FIPS.EXE では 8Gバイトを越える部分のパーティション操作は行なえ ません。 3. 新規にディスクを増設する 1.の方法は既存の環境を初期化することになりますので、必ず必要なデータをバックア ップしてから行ってください。また、2.の方法の場合も絶対に安全とは言えませんので 、必要なデータのバックアップを行ってください。 必要な空き領域のサイズは、最小構成で約500Mバイト以上(フルインストール時に約 2G バイト以上)です。この他にスワップ領域とユーザ領域が必要となります。Kernel 2.6 ではスワップ領域はメモリの2倍程度を目安にしてください。 ハードディスクのパーティションと空き領域 ほとんどのマシンにはWindowsがプリインストールされているため、パーティションを意 識することはないでしょう。新品のハードディスクを使う場合、まず論理的にいくつか に分割し、その分割したものをどのOSで使用するかを設定しなければなりません。この 分割した部分を「パーティション」といいます。そして、パーティションに割り当てら れていない部分を「空き領域」などといいます。Linuxをはじめてインストールする場合 、空き領域にLinuxが使用するパーティションを作成する必要があるのです。この説明に ついては、WindowsのFDISK.EXEコマンドなども参考になるでしょう。 インストール先の確保 (ppc) Vine Linuxをインストールするには、ハードディスクに、新たにパーティションを作成 するための空き領域が必要です。 Mac OS / Mac OS X がプリインストールされた Macintosh を購入した場合は、ハードディスクのすべての領域を Mac OS または Max OS X が使う設定になっているはずです。以下のいずれかの方法で空き領域を確保してくだ さい。 1. Linux用に空き領域を残して Mac OS / Mac OS X を再インストールする この操作は、Linux をインストールする前に、Mac OS または Mac OS X のインスト ール CD/DVD から起動したのち、ドライブ設定 (Drive Setup) を使ってパーティシ ョニングを行います。この際、ディスクをふたつのパーティションに分割して、前 半に Mac OS / Mac OS X 用のパーティション (Apple HFS 拡張パーティション) を 、後半に Linux 用のパーティション (A/UX Root や Linux など、Mac OS が認識出 来ないパーティション) を確保してください。その後再起動して、前半のパーティ ションに Mac OS / Mac OS X を再インストール / リストアしてください。 2. 新規にディスクを増設する 3. Linux専用マシンとして使う (ハードディスクの中身は全て削除されます) パーティションの内容を保持したまま、パーティションのサイズを縮小したり、それに よって空いた部分を新規パーティションとして作成する Mac OS / Mac OS X 用フリーソ フトウェアは現時点ではないようですので、現在インストールされている Mac OS / Mac OS X のバックアップを終えた後に上の操作を行ってください。新規購入時であれば、特 にバックアップする必要はありませんので、パーティションを分割し、その後その先頭 パーティションに Mac OS / Mac OS X をインストール、あるいはリストアするとよいで しょう。 インストール方法の選択 Vine Linux 5 では以下の方法でインストーラを起動することができます。 1. Vine Linux 5 の CD-ROM から起動する 2. インストーラ起動用のファイルのみの CD-ROM から起動する 3. USBメモリ等から起動する 4. PXEにより起動する CD-ROM から起動できるコンピュータをお使いの場合は、1の方法が最も簡単です。 1以外の方法で起動した場合は、インストールに必要なファイルの取得先を以下から選択 することができます。 ● Vine Linux 5 の CD-ROM ● ハードディスク ● NFS、HTTP、FTPサーバ(ネットワーク経由) BIOS設定の確認 PCの電源をいれてすぐに F1キー や F2キー や Deleteキー や Tabキー などを押し続け ると BIOS の設定画面へと入ることができるはずです。 BIOS によってキーは異なりま す。PCやマザーボードの説明書などをご覧ください。 起動直後の画面にどのキーを押せ ばいいか表示されていることも多いと思います。 時計の確認 普段あまり使用していないPCなどにインストールする場合には、マザーボードの BIOS の時計を確認しておいてください。 秒や日時の狂い程度なら問題ありませんが、年の部 分が狂っているとインストールの途中でトラブルがおこる可能性があります。 古い Macintosh の場合、内蔵電池が消耗してしまい、内部時計が 1904年 1月 1日にリ セットされてしまっていることがよくあります。Vine Linux をインストールする前に、 Mac OS 上で時刻を正しく修正しておくことをお薦めします。 起動デバイスの優先順位 選択したインストーラ起動デバイスの優先順位が、ハードディスクより高くなっている か確認してください。 ハードディスクの優先順位が高いと既にインストールされているOSが起動してしまいま す。 第2章 インストール手順 目次 インストーラの起動 (i386、x86_64) インストーラの起動 (ppc) オープニング画面 ようこそ 言語の選択 キーボードの設定 アップグレードの検証 インストールの種類 パーティションの設定 ディスクパーティションの設定 自動パーティション設定 Disk Druid ブートローダの設定 高度なブートローダオプションの設定 ブートローダ設定のアップグレード ネットワークの設定 ファイアウォールの設定 追加の言語サポート タイムゾーンの設定 rootパスワードの設定 パッケージインストールのデフォルト パッケージグループの選択 インストール(アップグレード)準備完了 パッケージのインストール おめでとうございます インストールの大まかな手順は次のようになります。 事前準備 ↓ インストーラ起動 ↓ インストールクラス選択 ↓ パーティション設定 ↓ 環境設定 ↓ ハードディスクへのファイル展開 インストーラの起動 (i386、x86_64) Vine Linux 5 CD-ROMをドライブに挿入してから再起動します。 するとインストーラ 起動メニューが表示されます。 図2.1 インストーラ起動画面 インストーラ起動画面 カーソルキーの上下で起動するインストーラ等を選択し、Enterキーを押します。 グラ フィカルモードでインストールする場合は、『Install (GUI mode) - default』を選択 します。 低解像度モニタでのインストール モニタの垂直解像度が600ドット未満の場合、通常のインストーラでは画面が乱れます。 『Advanced Options』を選択後、『Install (Low resolution mode)』を選択してくださ い。 低解像度モードでインストーラを起動することが出来ます。 インストーラ起動メニューのタイムアウト インストーラ起動メニューが表示されてから、60秒間入力がない場合、そのままEnterキ ーを押したものと解釈され次のステップに自動で進みます。 インストーラの起動 (ppc) NewWorld Macintoshの場合は、Vine Linux 5 CD-ROMをドライブに挿入してから再起動 します。 この際、キーボードのCキーを押しつづけていると、CD-ROM からインストーラ が起動され、boot:のプロンプトが表示されます。 そのままEnterを押すと、グラフィカルインストーラが起動します。 グラフィカルインストーラがうまく起動しない場合は、以下の様にlinux textと入力後 、Enterキーを押して、テキストインストーラを試してみてください。 boot: linux text OldWorld Macintoshの場合は、Mac OSを介して起動させる必要があります。CD-ROM上の 以下のファイルをハードディスク上の適切な場所にインストールしてください。 ● Boot VineLinux → 「コントロールパネル」フォルダへ ● BootX Extension → 「機能拡張」フォルダへ ● BootX Settings → 「初期設定」フォルダへ ● Linux Kernels → システムフォルダ直下へ ● ramdisk.image.gz → システムフォルダ直下へ その後、マシンを再起動すると、Mac OS起動途中に「Choose Your OS」と書かれたダイ アログボックスが表示されますので、「Linux」ボタンを押してください。これでVine Linuxインストーラが起動します。 オープニング画面 SCSIカードやマウスなどデバイスの自動認識が完了すると、オープニング画面が表示さ れます。 しばらくすると、次の画面に進みます。 図2.2 オープニング画面 オープニング画面 オープニング画面が表示されない場合や、使用しているビデオカードの種類によっては 、この先画面が表示されなくなる場合があります。 その場合は、コンピュータを再起動し、付録B テキストモードでのインストールの方法 でインストールしてください。 ようこそ 特に問題がなければ、Vine Linuxのロゴとともにインストーラに関する共通的な説明が 表示されます。 図2.3 ようこそ ようこそ 以降、画面中の設定が終ったら、「次へ」をクリックしてください。前の画面に戻ると きは、「戻る」をクリックします。また、左側にヘルプ画面がでますので、注意書きを 良く読んで設定してください。 言語の選択 インストーラの表示に使用する言語を選択します。標準で「日本語(日本語)」が選択さ れているのでそのまま次へをクリックすれば良いでしょう。 図2.4 言語の選択 言語の選択 英語(English)を選択した場合 以降の表示は英語になりますが、この場合でも日本語環境をインストールすることがで きます。 キーボードの設定 使用しているキーボードレイアウトを選択します。通常は、「日本語」を選択すれば良 いでしょう。 図2.5 キーボードの設定 キーボードの設定 アップグレードの検証 ここで既にVine Linuxがインストールされていないか検索されます。Vine Linuxがイン ストールされていない場合は、「インストールの種類」に進みます。 既存のVine Linuxシステムが見つかった場合、新規インストールかアップグレードイン ストールかを選択する画面が表示されます。 『既存インストールのアップグレード』を選択した場合、「ブートローダ設定のアップ グレード」へ進んでください。 図2.6 アップグレードの検証 アップグレードの検証 インストールの種類 コンピュータの使用目的に合わせて以下のインストールの種類から選択します。 ● すべて ● デスクトップ ● サーバ ● ベースシステム ● カスタム この選択は、インストールされるソフトウェアの種類に影響します。 とりあえずVine Linuxを試してみたいと言う方は、「すべて」を選択すると良いでしょ う。 図2.7 インスト−ルの種類 インスト−ルの種類 パーティションの設定 ディスクパーティションの設定 Vine Linuxをインストールするパーティションの設定を自動にするか手動にするかを指 定します。空っぽのディスクにインストールする場合は、自動がもっとも楽な選択にな ります。 『Disk Druid を使用して手動パーティション設定』を選択した場合は、「Disk Druid」 へ進みます。 図2.8 ディスクパーティションの設定 ディスクパーティションの設定 自動パーティション設定 自動パーティション設定では、既存のパーティションを削除して新たにパーティション を作成するか、既存の空き領域にパーティションを作成するか、以下の選択肢から選択 します。 ● システムのすべてのLinux パーティションを削除 ● システムのすべてのパーティションを削除 ● すべてのパーティションを保持し、既存の空き領域を使用 『システムのすべてのパーティションを削除』を選択した場合 WindowsやMac OSなど他のOSが利用しているパーティションも削除されますので注意して ください。 Windowsプレインストールマシーンにおける注意 リカバリイメージをハードディスクに保有しているタイプの機種の場合、Linuxパーティ ションにリカバリイメージを格納している場合があります。その場合、『システムのす べてのLinux パーティションを削除』を選択するとリカバリイメージを削除する事にな りますので注意してください。 図2.9 自動パーティション設定 自動パーティション設定 パーティションの作成結果を確認したい場合は、下部の『作成された(そして変更され た)パーティションを確認』をチェックします。チェックしなかった場合は、「ブートロ ーダの設定」へ進みます。 Disk Druid 「ディスクパーティションの設定」で手動パーティション設定を選択した場合や「自動 パーティション設定」で作成結果を確認するようにした場合、Disk Druidにより現在の パーティション設定が表示されます。 図2.10 Disk Druid Disk Druid 手動設定において新たにVine Linuxをインストールするパーティションを作成するだけ の空き領域がない場合は、既存のパーティションを削除する必要があります。削除した いパーティションを選択して「削除」を実行してください。 新規にパーティションを作成するには「追加」を押します。ミニウィンドウが出ますの で、マウントポイントと大きさ(サイズMバイト単位)、パーティションタイプ(ext3, ext2 or Linux swap)を選びます。複数のハードディスクがある場合は「確保可能なドラ イブ」から選択して下さい。Vine Linux 5 での標準はext3ファイルシステムになりま す。 Linuxには最低限、/(ルート)とスワップのパーティションが必要です。最初にスワッ プを設定したら、/は「DISKいっぱいまで使いますか?」をチェックしておけば、最大容 量を確保してくれます。その他、/, /usr, /var, /homeなどとパーティションを分ける 場合でも、 /homeを「DISKいっぱいまで」にしておけば、ここで半端な領域の調整がで きるようになります。ここがよくわからない場合、/, /boot, /homeとスワップのパーテ ィションを作成すると良いでしょう。 例を挙げると、/, /boot, /homeに分ける場合、/bootには75Mバイト程度を割り当てます 。/には最小構成で約600Mバイト以上(フルインストールで1700Mバイト以上)必要です。/ homeには残りを割り当てると良いでしょう。パーティションを分けるメリットは、バッ クアップがしやすい、ディスク障害時に復旧しやすいなどがあります。 また、それぞれのVine Linux用のパーティションをフォーマットするかどうかの選択も できます。はじめて使うハードディスクの場合やパーティションを切り直した場合は必 ずフォーマットします。フォーマットする場合は該当するところにチェックマークを付 けます。 NewWorld Macintoshでの注意 (ppc) ppc版の場合、NewWorld機と呼ばれるマシン(初代iMacおよびそれ以降のマシン)では、 ブートストラップパーティションという特別なパーティションが必要になります。/(ル ート)とスワップのパーティションの他に、ファイルタイプApple Bootstrapという小さ なパーティションを作ることを忘れないで下さい。パーティションのサイズは800KB程度 の小さなもので構いません。/bootパーティションは特に用意しなくても良いでしょう。 ここではまだフォーマットは行われません 実際にフォーマットが行われるのは、ソフトウェアがディスクにインストールされる直 前です。 フォーマットを行うとこれまでにディスクにあった情報は失われますので注意してくだ さい。 ブートローダの設定 注記 この画面は、ppc版では現れません。NewWorld Macintoshでは、インストーラによって自 動的にブートローダの設定が行われます。OldWorld Macintoshでは、インストール終了 後Mac OS上でBootXの設定を行ってください。 ハードディスクからVine Linuxを起動するために標準のブートローダGRUBを設定します 。GRUBを使うとLinuxと他のOSの起動を選択する事もできます。既にインストール済みの ブートローダを上書きしたくない場合は、ブートローダを変更をクリックし、「ブート ローダをインストールしない」を選択してください。 図2.11 ブートローダの設定 ブートローダの設定 起動OSの選択肢は自動で設定されますが、編集する事も可能です。カーネルオプション を変えて起動する設定を作りたいなどの場合は、追加をクリックしてください。ラベル 等を変更したい場合は変更したい選択肢を選択し、編集をクリックします。不要な選択 肢を削除する場合は該当する選択肢を選択し、削除をクリックします。 また、『デフォルト』のチェックを変更することでタイムアウト時に自動で起動するOS を変更することができます。 ラベルについて Vine Linux 3.2まで標準だったブートローダLILOと違い、GRUBではラベルに空白を含め る事ができます。 『ブートローダパスワードを使用』をチェックし、パスワードを変更をクリックすると ブートローダパスワードを設定する事ができます。 『高度なブートローダオプションの設定』をチェックしなかった場合は、「ネットワー クの設定」へ進みます。 高度なブートローダオプションの設定 図2.12 高度なブートローダオプションの設定 高度なブートローダオプションの設定 ここでは、GRUBをインストールする場所を選択できます。GRUB以外のブートローダをお 持ちでない場合は、「マスタブートレコード(MBR)」を選択すると良いでしょう。市販の システムコマンダーなど他のブートローダを使用する場合は、「ブートパーティション の最初のセクター」を選択します。 その他、LBA32の強制使用や一般カーネルパラメータの設定が可能です。 設定が完了したら、「ネットワークの設定」へ進みます。 ブートローダ設定のアップグレード 既存システムのアップグレードの場合、新たにブートローダをインストールするか、既 存のブートローダの設定を更新するか、ブートローダの更新をスキップするかを選択し ます。 図2.13 ブートローダ設定のアップグレード ブートローダ設定のアップグレード 『既存インストールのアップグレード』を選択した場合、「インストール(アップグレー ド)準備完了」へ進んでください。 ネットワークの設定 ネットワークインターフェースカード(NIC)がない場合は「次へ」を選択し次に進んで ください。NICが認識されない場合には、この設定画面はスキップされることがあります 。その場合は、インストール後にオンラインマニュアルを参照して設定を行なってくだ さい。 ここでは、IPアドレス、ネットマスク、ネットワークアドレス、ブロードキャストアド レス、ホスト名、ゲートウェイアドレス、DNSサーバの取得の方法を選択します。起動時 にネットワークに接続する場合は「起動時にアクティブにする」を選択し、各フィール ドに値を入力してください。DHCPサーバにつなぎこれらの情報を取得する場合は、「 DHCP使用時の設定」をチェックしてください。 なお、ここでの設定はLAN環境の設定であり、プロバイダへのダイヤルアップ接続とは無 関係です。 図2.14 ネットワークの設定 ネットワークの設定 ファイアウォールの設定 不正アクセスを防ぐため、ファイアウォールを有効にするかどうかを設定します。通常 は、有効のままで良いでしょう。 ファイアウォールを有効にした場合でも以下の4つのサービスについてアクセスを許可す る設定にすることもできます。そのような場合は、該当するサービスにチェックをつけ てください。 ● リモートログイン(SSH) ● Webサーバ(HTTP,HTTPS) ● ファイル転送(FTP) ● メールサーバ(SMTP) 図2.15 ファイアウォールの設定 ファイアウォールの設定 追加の言語サポート インストール後に使用する標準の言語と追加の言語サポートを選択します。通常は、そ のまま次へをクリックすれば良いでしょう。 図2.16 追加の言語サポート 追加の言語サポート タイムゾーンの設定 タイムゾーンの設定をします。Viewから「アジア」を選択します。日本付近でマウスを クリックすると「アジア/東京」となります。通常はデフォルトのままで問題ないでしょ う。 PCの内蔵時計をGMT(世界標準時刻)に合わせるならば、「システムクロックにUTCを使 用」にチェックを付けます。UTCオフセットの設定は日本在住の方はデフォルト(UTC+09) のままにしてください。 図2.17 タイムゾーンの設定 タイムゾーンの設定 rootパスワードの設定 まず、システム管理者、つまりスーパユーザ(root)のパスワードを設定します。確認 のため同じパスワードを2回入力します。入力したパスワードを忘れないように注意して ください。また、あまりに単純なパスワードは避けてください。アルファベット大文字 /小文字を取り混ぜ、数字や記号も入れると比較的安全です。なお、キーボードの設定 が実際のキーボードと違う場合、記号の位置がずれていることがありますので、注意し てください。2回入力したスーパユーザのパスワードが問題なければ、「次へ」のボタン が現れます。それまでは先に進めません。 次に、一般ユーザのアカウントも作成することができます。これはインストール後に行 うこともできます。すぐに使うユーザは登録しておくと良いでしょう。アカウント名に ユーザのアカウント名を入れます。初期パスワードもここで設定できます(2回入力して ください)。フルネームにはこのユーザの氏名をローマ字で入れます。 図2.18 rootパスワードの設定 rootパスワードの設定 「インストールの種類」で『すべて』か『デスクトップ』以外を選択した方は、「パッ ケージグループの選択」へ進みます。 パッケージインストールのデフォルト 「インストールの種類」で『すべて』か『デスクトップ』を選択した場合は、インスト ールされるデフォルトのパッケージグループの一覧とともに以下の選択肢が表示されま す。 ● デフォルトのソフトウェアをインストール ● インストールするソフトウェアパッケージをカスタマイズ 『デフォルトのソフトウェアをインストール』を選択した場合は、「インストール(アッ プグレード)準備完了」へ進みます。 図2.19 パッケージインストールのデフォルト パッケージインストールのデフォルト パッケージグループの選択 リストの中からインストールするパッケージグループを選択します。 パッケージグループ名の右側にある『詳細』をクリックすると更に細かくインストール するソフトウェアをカスタマイズすることができますが、コンポーネントの構成につい て詳しい人以外にはお勧めしません。 図2.20 パッケージグループの選択 パッケージグループの選択 パッケージグループは、 ● デスクトップ ● アプリケーション ● サーバ ● 開発 ● システム の様に分類されており、それぞれの分類には以下の表の様なパッケージグループが含ま れています。 表2.1 デスクトップ ┌───────────┬─────────────────────────────────────────────────────────────────┐ │X ウインド │グラフィカルユーザーインターフェイスの基盤を提供します。 │ │ウシステム │ │ ├───────────┼─────────────────────────────────────────────────────────────────┤ │GNOMEデスク│GNOMEは、パネル、デスクトップ、システムアイコン、及びグラフィカル│ │トップ環境 │ファイルマネジャを含む強力なグラフィカルユーザーインターフェイス │ │ │です。 │ └───────────┴─────────────────────────────────────────────────────────────────┘ 表2.2 アプリケーション ┌──────────────────┬──────────────────────────────────────────────────────────┐ │エディタ │主にテキストファイルを作成・編集できるプログラムがあります│ │ │。Emacs や Viが含まれます。 │ ├──────────────────┼──────────────────────────────────────────────────────────┤ │グラフィカルインタ│グラフィカルemail、Web、及びチャットクライアントが含まれて│ │ーネット │います。 │ ├──────────────────┼──────────────────────────────────────────────────────────┤ │テキストベースのイ│X Window Systemを必要としないテキストベースのemail, Web,及│ │ンターネット │びチャットクライアントが含まれています。 │ ├──────────────────┼──────────────────────────────────────────────────────────┤ │オフィスツール │オフィスセット、PDFビューア及びその他が含まれています。 │ ├──────────────────┼──────────────────────────────────────────────────────────┤ │サウンドとビデオ │CDの録音からオーディオCDとマルチメディアファイルの再生まで│ │ │、サウンドとビデオの機能を使用できます。 │ ├──────────────────┼──────────────────────────────────────────────────────────┤ │TeX ドキュメント処│TeX 文書を処理し表示や印刷を行うことができます。 │ │理 │ │ ├──────────────────┼──────────────────────────────────────────────────────────┤ │グラフィクス │イメージの処理とスキャンを手伝うパッケージが含まれています│ │ │。 │ └──────────────────┴──────────────────────────────────────────────────────────┘ 表2.3 サーバ ┌────────────────┬────────────────────────────────────────────────────────────┐ │Webサーバ │Webサーバを実行することができます。 │ ├────────────────┼────────────────────────────────────────────────────────────┤ │メールサーバ │IMAP か Postfixメールサーバを設定できます。 │ ├────────────────┼────────────────────────────────────────────────────────────┤ │DNS ネームサーバ│DNSネームサーバ(BIND)を実行できます。 │ ├────────────────┼────────────────────────────────────────────────────────────┤ │FTP サーバ │FTPサーバを実行することができます。 │ ├────────────────┼────────────────────────────────────────────────────────────┤ │NFS サーバ │NFS サーバとしてシステムを設定できます。 │ ├────────────────┼────────────────────────────────────────────────────────────┤ │ネットワークサー│DHCP, NTP や OpenSSHなどのネットワークベースのサーバが含まれ│ │バ │ています。 │ └────────────────┴────────────────────────────────────────────────────────────┘ 表2.4 開発 ┌──────────┬──────────────────────────────────────────────────────────────────┐ │開発ツール│automake, gcc, perl, python, 及びデバッガなどのコア開発ツールが含 │ │ │まれています。 │ ├──────────┼──────────────────────────────────────────────────────────────────┤ │カーネル開│カーネルパッケージを再コンパイルする為にこれらのパッケージをインス│ │発 │トールします。 │ └──────────┴──────────────────────────────────────────────────────────────────┘ 表2.5 システム ┌────────┬────────────────────────────────────────────────────────────────────┐ │管理ツー│ユーザーアカウントを管理したり、システムハードウェアを設定したりする│ │ル │システムの為のグラフィカル管理ツールのコレクションです。 │ ├────────┼────────────────────────────────────────────────────────────────────┤ │システム│SMB共有へ接続するクライアントやネットワーク通信量をモニタするツール │ │ツール │などのシステム用の各種ツールのコレクションです。 │ ├────────┼────────────────────────────────────────────────────────────────────┤ │印刷サポ│システムを印刷可能に、またはプリントサーバとして有効にします。 │ │ート │ │ ├────────┼────────────────────────────────────────────────────────────────────┤ │ドキュメ│Vine Linux 向けのドキュメント類 │ │ント類 │ │ └────────┴────────────────────────────────────────────────────────────────────┘ パッケージグループの詳細 パッケージグループの詳細については、インストールCDのVine/base/comps.xmlに書かれ ています。 インストール(アップグレード)準備完了 インストールあるいはアップグレードの準備が完了をした事を知らせるメッセージが表 示されます。 オンラインヘルプにもある通り、ここがインストールを中止する最後のポ イントになります。 図2.21 インストール準備完了 インストール準備完了 図2.22 アップグレード準備完了 アップグレード準備完了 「次へ」を選択すると、実際にLinuxパーティションがフォーマットされ、 ソフトウェ アのインストールが開始されます。 インストール(アップグレード)時の記録 メッセージにもある通りインストール時の記録は/root/install.logに、アップグレード 時の記録は/root/upgrade.logにそれぞれ残されます。インストール(アップグレード)時 に問題があった場合など原因を究明する一助となるでしょう。 パッケージのインストール まず、フォーマットするパーティションがある場合、ファイルシステムの構築が行われ ます。ディスク容量にもよりますが、かなりの時間を要します。 フォーマットが終ると、パッケージのインストールが始まります。PCの性能と選択した パッケージの種類にも依りますが、30分から1時間以上かかる場合もあります。時々しば らく止まったように見える場合がありますが、あわてずにしばらくは待ってください。 インストール中にはおおよその残り時間が表示されますが、最初の数十個をインストー ルするまでは、あまり正確な時間は表示されません。 図2.23 パッケージのインストール パッケージのインストール おめでとうございます これでインストールは完了です。 図2.24 インストール終了画面 インストール終了画面 『再起動』をクリックするとしばらくしてインストールCDが排出され、コンピュータが 再起動されます。 警告 再起動の際にブートディスクやインストールCDなどブート可能なメディアを必ず抜いて ください。そうしないと再びインストーラが起動してしまいます。 アップグレードの場合は再起動後にも作業が必要です アップグレード前の環境にインストール CD や DVD に含まれていないパッケージがある 場合、それらのパッケージはアップグレードされません。 再起動してログイン後、apt や synaptic を利用して完全にアップグレードしてくださ い。 apt の場合は、apt-line の設定を確認した上、以下の手順を実行してください。 # apt-get update # apt-get dist-upgrade なお、CDでのアップグレードの場合など、依存情報が解決できず以下の様なエラーで終 了する場合があります。 これらを解決するためには 'apt-get --fix-broken install' を実行する必要があるかもしれません。 以下のパッケージは解決できない依存関係を持っています: (中略) E: 未解決の依存関係があります。--fix-broken オプションをためして下さい。 その場合は、以下の手順を実行してください。 # apt-get -f install # apt-get dist-upgrade 付録A USBメモリへのディスクイメージの書き込み 目次 Microsoft Windows の場合 Linux の場合 Microsoft Windows の場合 Windows 環境上で、ISO イメージを USB メモリに書き込むには、 DDforWindows や Disk Imager for Windows というアプリケーションが使用出来ます。 ここでは、Disk Imager for Windows(以降、Disk Imager) を利用する方法について解説 します。Disk Imager は以下のところより、ダウンロードできます。 https://launchpad.net/win32-image-writer/+download ISO イメージファイルの拡張子を変更する必要があります Disk Imager は、書き込むファイルの拡張子が .img である必要があります。 Vine Linux の ISO イメージファイルは、拡張子が .iso になっていますので、ISO イ メージファイルをダウンロード後、拡張子を変更しておく必要があります。 USB メモリのデータは全て消去されます ISO イメージを USB メモリに書き込むと それまで USB メモリに書き込まれていた情報 がすべて消えてしまいます。 使用してもよい USB メモリか十分確認してください。 また、再度、普通の USB メモリとして使用するためには、フォーマットが必要です。 図A.1「ダウンロード先フォルダ」は、Disk Imager をダウンロードして、Win32 Disk Imager というフォルダに展開した状態を示しています。 また、ダウンロードした ISO イメージファイルの拡張子が .img に変更されています。 図A.1 ダウンロード先フォルダ ダウンロード先フォルダ 展開した Win32 Disk Imager フォルダの中身は、図A.2「Win32 Disk Imager フォルダ 」のようになっています。 環境によっては、.dll ファイルが表示されていなかったり、ファイル名の .exe が表示 されていなかったりするかもしれませんが、問題ありません。 「Win32DiskImager」のアイコンをダブルクリックすると、起動します。 図A.2 Win32 Disk Imager フォルダ Win32 Disk Imager フォルダ 起動直後、図A.3「File Error」のようなエラー画面が表示されることがあります。 書き込もうとする USB メモリが他のアプリケーションから使われていないか確認してく ださい。 ただし、まったく使われていなくてもこのエラーが表示される場合があるようです。 その場合は無視して「OK」を押して、先に進んで下さい。 図A.3 File Error File Error ISO イメージを USB メモリに書き込むには、ISO イメージファイル名と書き込み USB メモリを指定してやる必要があります。 メイン画面の「Image File」に ISO イメージファイル名を入力します。入力欄の横のボ タンを押すと、ファイル選択のダイアログが出ますので、それを使うと便利でしょう。 「Device」から、書き込み先の USB メモリを指定します。USB メモリのドライブ名を選 択します。 Disk Imager を起動してから USB メモリを差し込んだ場合は「Device」のリフレッシュ ボタンを押すと、情報が更新され、選択肢に現れるようになります。 その際、図A.3「File Error」 のエラーが発生することがあります。 ファイル名、USB メモリの指定が間違っていないことを確認し、Writeボタンを押します 。 図A.4 メイン画面 メイン画面 Writeボタンを押すと、最終確認の Window が表示されます。 もう一度、ファイル名、USB メモリの指定が間違っていないことを確認してから、Yesボ タンを押して下さい。 図A.5 確認画面 確認画面 「Yes」ボタンを押すと書き込みが始まります。 図A.6 書き込み中画面 書き込み中画面 書き込みが完了するまで、USB メモリを抜かないようにしてください。 トラブルシューティング ● USB メモリーにパーティションが既にきられていると、書き込みに失敗します。 パーティションを削除して、再度書き込んでみて下さい。 ● 十分なサイズの USB メモリなのに容量が足らないと言われる場合もパーティション が切ってあることが原因のことがあります。 Linux の場合 他のディストリビューションや以前の Vine Linux などで ISO イメージを USB メモリ に書き込むには、コンソールや GNOME 端末などの端末エミュレータで # cat Vine50-i386-DVD.iso > /dev/sdb あるいは、 # dd if=Vine50-i386-DVD.iso of=/dev/sdb というコマンドを使用します。 USB メモリのデバイス名が分からない場合は、mount(自動マウントが有効な場合)や dmesg |grep "sd[a-z]"などとしてデバイス名を調べる事ができます。 付録B テキストモードでのインストール 目次 Vine Linux へようこそ! 言語の選択 キーボードの選択 アップグレードの検証 インストールの種類 ディスクパーティションの設定 自動パーティション設定 Disk Druid ブートローダの設定 ブートローダ設定のアップグレード ネットワークの設定 IPアドレスの設定 ホスト名の設定 ファイアウォールの設定 追加の言語サポート タイムゾーンの設定 rootパスワードの設定 インストールされるソフトウェアの選択 ソフトウェア選択の確認 パッケージグループの選択 準備完了 インストール準備完了 アップグレード準備完了 パッケージのインストール 完了 テキストモードでインストールする場合は、インストーラ起動メニューで以下のいずれ かを選択してください。 ● Install (Text mode) ● Advance options の Install (NOFB mode) テキストモードでは、マウスを使用することができず、キーボードのみで操作する必要 があります。操作の仕方は以下の通りです。 ● 項目間の移動: ● 項目の選択:カーソルキー ● 項目([ ]欄)のチェック:<スペース> で有効 / 無効の切替え ● 選択内容の決定:「確認」や「了解」のボタンで また、テキストモードで選択メニューが表示された時には、キー入力をすると先頭の文 字がそのキーに一致する項目が表示されます。 Vine Linux へようこそ! 最初に『Vine Linux へようこそ!』というメッセージが表示されます。 図B.1 Vine Linux へようこそ! Vine Linux へようこそ! そのまま、Enterキーを押して次へ進んでください。 言語の選択 インストーラで使用する言語を選択します。通常は、日本語が選択されていますのでそ のままEnterを押してください。 図B.2 言語の選択 言語の選択 キーボードの選択 お使いのキーボードを選択し、Enterキーを押してください。通常は、jp106で良いでし ょう。 図B.3 キーボードの選択 キーボードの選択 アップグレードの検証 ここで既にインストールされているVine Linuxシステムがないか検索されます。 図B.4 Vine Linuxインストールの検索 Vine Linuxインストールの検索 既存のVine Linuxシステムが見つかった場合、図B.5「アップグレード対象システムの選 択」の画面が表示されます。 図B.5 アップグレード対象システムの選択 アップグレード対象システムの選択 既存のシステムをアップグレードしたい場合は、対象となるシステムを選択してくださ い。システムの再インストールを選択する事も可能です。 既存のシステムのアップグレードを選択した場合は、「ブートローダ設定のアップグレ ード」へ進みます。 インストールの種類 コンピュータの使用目的に合わせてインストールの種類を以下から選択してください。 ● すべて ● Desktop(デスクトップ) ● Server(サーバ) ● Base System(最小構成) ● Custom(カスタム) この選択は、インストールされるソフトウェアの種類に影響します。 とりあえずVine Linuxを試してみたいと言う方は、「すべて」を選択すると良いでしょ う。 図B.6 インストールの種類 インストールの種類 ディスクパーティションの設定 Vine Linuxをインストールするパーティションの設定を自動にするかDisk Druidを使っ て手動で設定するかを指定します。空っぽのディスクにインストールする場合は、自動 がもっとも楽な選択になります。 図B.7 ディスクパーティションの設定 ディスクパーティションの設定 『Disk Druid』を選択した方は、「Disk Druid」へ進んでください。 自動パーティション設定 自動パーティショニングを選択した場合は、全て消してつくりなおすか、Linux の入っ ているところを潰して使うか、空いているところだけを使うかを選択できます。 図B.8 自動パーティション設定 自動パーティション設定 パーティションを削除する様な選択をした場合、図B.9「パーティション削除の警告」の 画面で警告が表示されます。問題がなければ、『はい』を選択してEnterキーを押してく ださい。 図B.9 パーティション削除の警告 パーティション削除の警告 自動で設定されたパーティションの状態は、「Disk Druid」で表示されます。 Disk Druid 図B.10 Disk Druid Disk Druid 手動設定において新たにVine Linuxをインストールするパーティションを作成するだけ の空き領域がない場合は、既存のパーティションを削除する必要があります。削除した いパーティションを選択して「削除」を実行してください。 新規にパーティションを作成するには「追加」を押します。ミニウィンドウが出ますの で、マウントポイントと大きさ(サイズMバイト単位)、パーティションタイプ(ext3, ext2 or Linux swap)を選びます。複数のハードディスクがある場合は「確保可能なドラ イブ」から選択して下さい。Vine Linux 5 での標準はext3ファイルシステムになりま す。 Linuxには最低限、/(ルート)とスワップのパーティションが必要です。最初にスワッ プを設定したら、/は「DISKいっぱいまで使いますか?」をチェックしておけば、最大容 量を確保してくれます。その他、/, /usr, /var, /homeなどとパーティションを分ける 場合でも、 /homeを「DISKいっぱいまで」にしておけば、ここで半端な領域の調整がで きるようになります。ここがよくわからない場合、/, /boot, /homeとスワップのパーテ ィションを作成すると良いでしょう。 例を挙げると、/, /boot, /homeに分ける場合、/bootには75Mバイト程度を割り当てます 。/には最小構成で約600Mバイト以上(フルインストールで1700Mバイト以上)必要です。/ homeには残りを割り当てると良いでしょう。パーティションを分けるメリットは、バッ クアップがしやすい、ディスク障害時に復旧しやすいなどがあります。 また、それぞれのVine Linux用のパーティションをフォーマットするかどうかの選択も できます。はじめて使うハードディスクの場合やパーティションを切り直した場合は必 ずフォーマットします。フォーマットする場合は該当するところにチェックマークを付 けます。 NewWorld Macintoshでの注意 (ppc) ppc版の場合、NewWorld機と呼ばれるマシン(初代iMacおよびそれ以降のマシン)では、 ブートストラップパーティションという特別なパーティションが必要になります。/(ル ート)とスワップのパーティションの他に、ファイルタイプApple Bootstrapという小さ なパーティションを作ることを忘れないで下さい。パーティションのサイズは800KB程度 の小さなもので構いません。/bootパーティションは特に用意しなくても良いでしょう。 ここではまだフォーマットは行われません 実際にフォーマットが行われるのは、ソフトウェアがディスクにインストールされる直 前です。 フォーマットを行うとこれまでにディスクにあった情報は失われますので注意してくだ さい。 ブートローダの設定 注記 この画面は、ppc版では現れません。NewWorld Macintoshでは、インストーラによって自 動的にブートローダの設定が行われます。OldWorld Macintoshでは、インストール終了 後Mac OS上でBootXの設定を行ってください。 図B.11 ブートローダの設定 ブートローダの設定 ハードディスクからVine Linuxを起動するために標準のブートローダGRUBを設定します 。GRUBを使うとLinuxと他のOSの起動を選択する事もできます。既にインストール済みの ブートローダを上書きしたくない場合は、「ブートローダを使用しない」を選択してく ださい。 「ブートローダを使用しない」を選択した場合は、「ネットワークの設定」へ進みます 。 図B.12 ブートオプションの設定 ブートオプションの設定 次にカーネルオプションの指定やLBA32の設定を行います。よく分からない場合は、その まま次へ進んでください。 図B.13 GRUBパスワードの設定 GRUBパスワードの設定 GRUBではパスワードを設定することができます。通常は、そのまま次へ進めば良いでし ょう。 図B.14 起動パーティションの選択 起動パーティションの選択 ここで起動パーティションのラベル等を編集することができます。ラベルを編集したい 場合は、編集を選択してEnterキーを押してください。 図B.15 ブートローダのインストール場所 ブートローダのインストール場所 最後にブートローダのインストール場所を選択します。GRUB以外のブートローダをお持 ちでない場合は、「マスタブートレコード(MBR)」を選択すると良いでしょう。市販のシ ステムコマンダーなど他のブートローダを使用する場合は、「ブートパーティションの 最初のセクター」を選択します。 ブートローダ設定のアップグレード アップグレードインストールの場合、ブートローダ設定のアップグレードについて確認 されます。 現在、使用中のブートローダを上書きしたくない場合は、「ブートローダ更新をスキッ プ」を選択してください。 図B.16 ブートローダ設定のアップグレード ブートローダ設定のアップグレード 「アップグレード準備完了」へ進みます。 ネットワークの設定 IPアドレスの設定 DHCPサーバに接続して自動でIPアドレスを割り当てる場合は、『DHCP を使用して設定』 にチェックを付けたままにし次へ進みます。 自分でIPアドレスを設定する場合は、『IPアドレス』と『ネットマスク』を入力して次 に進みます。 図B.17 IPアドレスの設定 IPアドレスの設定 ホスト名の設定 DHCPサーバによりホスト名が自動で割り当てられる場合は、『DHCP 経由で自動設定』を 選択します。 御自分でホスト名を設定したい場合は、『手動で』を選択しホスト名を入力してくださ い。 図B.18 ホスト名の設定 ホスト名の設定 ファイアウォールの設定 図B.19 ファイアウォールの設定 ファイアウォールの設定 不正な侵入からあなたのコンピュータを守るためにファイアウォールを有効にしておく ことをお奨めします。 「カスタマイズ」を選択してEnterキーを押すことにより、特別に一部のサービスへのア クセスを許可する事もできます。 図B.20 ファイアウォール設定のカスタマイズ ファイアウォール設定のカスタマイズ インストール時には、 ● リモートログイン(SSH) ● Webサーバ(HTTP,HTTPS) ● ファイル転送(FTP) ● メールサーバ(SMTP) のみの許可しかできませんが、インストール後に他のサービスについて許可する設定変 更が可能になります。 追加の言語サポート 必要があれば、追加の言語サポートを選択します。通常は、そのまま次へ進めば良いで しょう。 図B.21 言語サポート 言語サポート タイムゾーンの設定 タイムゾーンを設定します。日本国内に在住の方は、「アジア/東京」が選択されている 事を確認し、次へ進んでください。「System clock uses UTC」は、特に選択する必要は ありません。 図B.22 タイムゾーンの設定 タイムゾーンの設定 rootパスワードの設定 ここでrootユーザのパスワードを設定します。rootユーザは、システムの全てを変更可 能な特権ユーザです。必ず、パスワードを設定してください。 図B.23 rootパスワードの設定 rootパスワードの設定 インストールされるソフトウェアの選択 ソフトウェア選択の確認 図B.24「パッケージデフォルト」の画面でインストールされるソフトウェアをカスタマ イズするかどうかの確認がなされます。 「インストールの種類」で『Custom』を選択した場合、この画面は表示されず「パッケ ージグループの選択」へ進みます。 『ソフトウェア選択をカスタマイズ』を選択しなかった場合は、「インストール準備完 了」へ進みます。 図B.24 パッケージデフォルト パッケージデフォルト パッケージグループの選択 インストールされるソフトウェアは、その目的によって『パッケージグループ』という 単位で分類されています。テキストモードでのインストールでは、パッケージグループ 単位での選択のみが可能です。 図B.25 パッケージグループの選択 パッケージグループの選択 準備完了 インストール準備完了 依存関係のチェックが行われ、最終的にインストールされるソフトウェアが確定します 。 図B.26 依存関係チェック 依存関係チェック しばらくするとインストール開始の確認が表示されます。ここが、インストールを安全 に中止したり以前の設定項目に戻る最後のポイントになります。 図B.27 インストール開始 インストール開始 『OK』を選択してEnterキーを押すと「パッケージのインストール」へ進みます。 アップグレード準備完了 アップグレードパッケージの検索が行われ、アップグレードされるソフトウェアが確定 します。 図B.28 アップグレードパッケージの検索 アップグレードパッケージの検索 しばらくするとアップグレード開始の確認が表示されます。ここが、アップグレードを 安全に中止したり以前の設定項目に戻る最後のポイントになります。 図B.29 アップデート開始 アップデート開始 パッケージのインストール 新規インストールの場合、フォーマットすべきパーティションがあれば、フォーマット されます。パーティションサイズにもよりますが、しばらく時間がかかります。 図B.30 ファイルシステムのフォーマット ファイルシステムのフォーマット ソフトウェア(パッケージ)のインストールが開始されると上段に現在インストール中の ソフトウェアの進捗状況、下段に全体の進捗状況が表示されます。目安として、インス トールの残り時間なども表示されます。 図B.31 パッケージのインストール パッケージのインストール 完了 以上でインストール(アップグレード)が完了します。Enterキーを押すと再起動されます 。 図B.32 完了 完了 付録C Expertモードでのインストール 次のような場合には、Expertモードを使ってください。 ● ISA 機器が認識されない場合 ● PCMCIAのモジュールにオプションを与えたい場合 ● SCSIカード、SCSI機器を自動認識させたくない場合 ● その他、オプションを自動設定したくない場合 インストーラ起動メニューで『Advanced options』を選択後、『Install (Expert mode) 』を選択してください。 Promise Ultra66等の拡張ボードでは、SCSI機器の選択では表示されない場合があります 。 この場合はインストーラ起動時に ide2=0x6700,0x6802,11 等と入力を行ってくださ い。 このとき、「=」は、106等のキーボードであれば「¥」の左にあるひらがなの「へ 」と書かれたキーを押してください。 付録D トラブル・シューティング D.1. インストーラが起動せず、既にインストールされているOS(Windowsなど)が起動し ます。 D.1. インストーラが起動せず、既にインストールされているOS(Windowsなど)が起動し ます。 お使いのコンピュータが、選択したインストーラ起動方法に対応していない、 或 いは、BIOSの設定で起動方法の優先順位がハードディスクからの起動より低くなっ ています。 BIOSにより設定方法などが異なりますので詳しくはBIOSのマニュアルを参照してく ださい。